和歌の世界
since 2014.1.3 この頁は2014年05月29日に更新しました。
木の芽も春の雪ふれば うれしきを何につつまむ
霞たちこのめもはるの雪降れば 花なき里に花ぞ散りける (古今・貫之)
昨日入試受付をしていてふと窓を見るとぼたん雪が舞っていました
「木の芽もはる(張る・春)の雪降れば」はすぐ出てくるのですが
立春以降、春の雪が降るたびに、初句なんだっけとか、下の句なんだっけと思ってしまいます
貫之はこの歌をどんなふうに作ったのでしょうか
立春に「霞立つ」というのは和歌では常套の言い回しなのですが
「霞」と「春の雪」は同時には無理では
この芽もはる(張る・春)の雪は実景ですが
勤務先の卒業式の予行で「蛍の光」を歌っていて、
いつしか年もすぎ(過ぎ・杉)の戸を開けてぞ今朝は別れゆく
とあったので、「あぁそういえばこれも掛詞」と思ったことでした