倭文の苧環(しづのをだまき)

 昔、付き合っていた女に、数年たって

  いにしへのしづのをだまき繰返し 昔を今になすよしもがな

(古代のヤマトの織物の糸巻きのように繰返し 

 昔を今にする方法があったらいいのに)

と言ったのだが、(女は)何とも思わなかったのだろうか

 

 

しばらくたって、改めて彼女の良さが懐かしくなり、

もう一度昔のように、時間を元に戻して繰り返して、今にできればなぁと思う。

昔良かった時間はもう戻ってこないけれども、

あの時間がなつかしい、というお話。

 

伊勢物語  2001年11月19日作成 内田美由紀